FP法人(株)マネーデザインの中村です。
今日、9月8日は暦の上では「白露」。大気が冷え始めてきて、露ができ始める頃の時期だそうです。まだまだ、夏と秋がせめぎ合い、住まいや職場が前線の上か下かで肌で感じる気候が微妙に異なります。今日昼間、関東地方は曇りベースで時々晴れ間がのぞく程度、蒸し暑さも残りそうです。
さて、今回は、我々日本人が、投資に関してどのように感じているか、この辺りの感覚を探ってみたいと思います。
 多くの日本人が投資に対して持っているイメージを纏めますと、こんな感じになるのでないでしょうか。--「投資なんてギャンブルと同じ」「元本割れのリスクが大きい」「しょせんはおカネに余裕のある人がやるもの」――。投資にまつわる様々な負のイメージが、多くの人を資産運用に取り組むのをためらわせています。もし、お子様がいらっしゃるご家庭で、親が子供に対する行う教育からして、そんなイメージを植え付けていませんでしょうか。私はある一面には事実が含まれていますが、誤解や偏見の部分もかなり大きいと思います。低金利がますます続き、さらにより一層の低金利になる予測の一方で、物価が緩やかに上昇する今、お金をただ預貯金に預けているだけでは、大事な資産の価値は目減りしてしまいます。今一度、投資に関する先入観を捨て、一から資産運用を考えてみてもいいタイミングだと考えます。
日本人は筋金入りの投資嫌い?
先日、ある研究所が6月に実施したNISAに関するアンケート調査で一般個人に投資のイメージを聞いたところ、「リスクが大きい」(39%)を筆頭に「素人には難しい」「不安・心配」「損をする」など、上位にはずらりとマイナスの言葉が並んだそうです。「利益が得られる」(14%)と、少し前向きな評価が登場するのはようやく14番目だったそうです。政府や金融庁は「貯蓄から投資へ」としきりに旗を振りますが、世の中の投資に対するイメージはどうも芳しくありません。また、NISAを行っている中心世代は、お金に余裕のあるシニア層という統計もあります。
では投資や資産運用は、そんなに危なっかしくて、本当に一部の人たちだけしかできないことなのでしょうか。多くの人が投資に抱いているイメージを例に挙げながら、健全な投資の意味を改めて考えてみたいと思います。
「投資はギャンブル・ばくちである」 ある研究所の調査では4人に1人がそう答えていたそうです。確かに投資と投機には重なる部分があるし、投機にはギャンブルに似た面があります。では、ギャンブルと投機と投資は何が違うのか。
ギャンブルは勝負事にお金を賭けて、勝者が一定割合の配分を受けるものです。ただし、その配分額は賭け金の総額のうち、主催者が掛けをする場の運営料(てら銭)を取った後の金額となります。例えば中央競馬なら原則、賭け金の25%を主催者がいったん懐に収め、残りの75%が払戻金になります。宝くじなら主催者の取り分はぐっと増えて52%程度です。ですので、あれだけ広告宣伝費にお金がかけられるのです。賭け金の総額より少ない金額を参加者が取り合う仕組みなので、期待値で考えると、参加者は賭けを続けていくうちに必ず損になります。参加者全体でみれば、ギャンブルは利益より損失の方が大きい「マイナス・サム」のゲームです。すなわち、主催者が必ずもうかるしくみです。今盛んに議論になっているカジノ構想の主体は、必ずもうかります。
一方、株式のデイトレードや為替のFXトレード(証拠金取引)などは、てら銭の額が相対的に小さく(決して0ではありません)、誰かの利益がほぼ誰かの損失になる、おおよそ「ゼロ・サム」のゲームと言えます。これが投機で、もっぱら資産価格の変動のサヤを抜くのが目的になります(アービトラージ)。
次回は、残りの投資を定義付けしたいとおもいます。
では、よい一週間の始まりをお過ごしください。