FP法人㈱マネーデザインの 中村です。

 首都圏は昨日も相変わらず大気の状態が不安定で、ざっと雨が降りましたね。南から暖かい湿った空気が入っていて、そこに上空の寒気が北から侵入し、大気の状態が不安定になります。偏西風の蛇行のおかげでなかなか気圧配置が変わらず、長い期間同じ様な状態が続いてしまいます。今日、明日とまた雨が降りやすい気圧配置ですので、注意が必要です。金曜日から週末にかけては梅雨の中休みの予報が出ています。すこしホットできますね。

 さて、昨日に引き続き、本日もヘッジファンドについてお話していきます。

 彼らの投資行動は、お金を儲ける為に様々な手法を使います。1997年7月に始まった通貨危機は、国を相手に勝負を仕掛け、その結果、タイ、インドネシア、韓国の3カ国の国民生活にも多大な影響を与えた事もあります。また日本も1997年10月の円急騰、その後の日本長期信用銀行や日本債券信用銀行の国有化の遠因になったといわれています。

 まずヘッジファンドの最大の関心事はQE3(キューイースリー)がいつ出口戦略をむかえるか、ということです。ではQE3とは何か、ここでもう一度おさらいをしてみましょう。

 QE3はアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)により、2012年9月に始まった量的金融緩和政策の第3弾のこと。「Quantitative Easing program 3」の略称です。通常の金融緩和策が政策金利を引き下げるものであるのに対し、QE(Quantitative Easing program)は市場に供給する資金量を増加させることで金融緩和を図るのが特徴です。景気が悪化状態にある時、一般的には金利を引き下げる策が用いられますが、すでにゼロ金利の状態にある場合は、もうこれ以上金利の引き下げにより市場に資金を流すことができないため、中央銀行が資産の買い入れを行って市場に出回る資金量を拡大するという量的緩和策がとられます。これにより市中に出回るお金を増加させ、ヘッジファンドはこれを元手に色々なマーケットにお金をつぎ込み、利益を上げることを画策します。

 QEの第1弾であるQE1は、2008年のサブプライム住宅ローン問題を受けたリーマンショックや世界同時株安といった金融危機が起こった際に、FRBによって2009年3月から2010年3月まで実施されました。

 第2弾のQE2は、景気回復の促進とインフレ率低下の阻止を目的として実施され、長期金利の押し下げを狙い、2010年11月から2011年6月までの約8ヶ月間に渡って、1ヶ月あたり約750億ドルのペースで合計6000億ドルの米国債の追加購入が行われました。

 2012年9月に始まったQE3は、労働市場(雇用)を刺激して景気を回復させるため、主に市場から住宅ローン担保証券(MBS)を追加的に買い取って、大量の資金を供給します。
    
 その買い取り規模は、月額400億ドル(約3兆円)で、事実上のゼロ金利政策を、現在の2014年終盤から2015年半ばまで延長するというのが、現在の市場のコンセンサスです。
 
 FRBのバーナンキ前議長は、量的緩和は万能薬ではないと強調しながらも、米国債・社債・住宅ローンなどの金利の引き下げ、株式相場・住宅価格の引き上げ、労働市場(雇用)の改善、消費の拡大などに効果があると述べていました。2014年2月に就任しました初の女性議長であるイエレン氏も基本的にはバーナンキ氏の政策を今のところ踏襲しています。
   
 ■ 緩和逓減とは?
         
 中央銀行が量的緩和を行うペースを徐々に減らしていくことを「緩和逓減(テーパリング)」といいます。
   
 バーナンキ前議長は、2013年5月22日の議会証言で、QE3の規模を縮小する可能性があると発言しました。さらに、6月19日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では、QE3を「いつ、どのように終らせるか?」という出口戦略を明らかにしました。これらのバーナンキ議長の発言は、世界の金融市場に大きな衝撃を与え、株価暴落などを引き起こしたことから、バーナンキ・ショックと呼ばれました。
 
 このようにQE3がいつ終了を迎えるかということは、ヘッジファンドだけでなく、すべての市場参加者にとって最も重要な事なのです。
 
■ 2014年1月から、緩和規模を縮小
   
 2013年12月18日、米連邦準備制度理事会(FRB)は、2014年1月からQE3の規模を毎月850億ドルから750億ドルに縮小することを決めました。
 フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は年0~0.25%に据え置き、事実上のゼロ金利政策を維持しました。
       
 ※FOMCの声明では、さらなる緩和縮小を慎重に続けるであろうこと、米失業率が6.5%を下回り相当の期間が経過するまで、事実上のゼロ金利政策を維持するであろうことなどが表明されています。
   
 ■ 2014年2月から、緩和規模をさらに縮小
   
2014年1月29日、米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国の経済活動が上向いたという判断から、2014年2月からQE3の規模を毎月750億ドルから650億ドルに縮小することを決めました。
フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は年0~0.25%に据え置き、事実上のゼロ金利政策を維持しました。
   
 ■ 2014年4月から、3回連続で緩和規模を縮小
   
2014年3月19日、米連邦準備制度理事会(FRB)は、QE3の規模を毎月650億ドルから550億ドルに縮小することを決めました。
フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は年0~0.25%に据え置き、事実上のゼロ金利政策を維持しました。
  
※FRBは、金融政策を変更する際の目安としていた「失業率6.5%」という数値基準を撤廃し、幅広い経済指標(失業率、雇用、物価など)を参考にすると表明しました。
       
 ■ 2014年5月から、4回連続で緩和規模を縮小
   
2014年4月30日、米連邦準備制度理事会(FRB)は、QE3の規模を毎月550億ドルから450億ドルに縮小することを決めました。
フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は年0~0.25%に据え置き、事実上のゼロ金利政策を維持しました。

 このようにFRBは今年に入って徐々に量的緩和規模の縮小を行っていることが分ります。この縮小スピードが今後どうなっていくのか、イエレン議長のかじ取りに注目が集まっています。

 マーケットの格言に「FRBには逆らうな」という言葉があります。いくらヘッジファンドとはいえ、この言葉に逆らうことはマーケットからの退場を意味しています。ヘッジファンドもテーパリングの動向に最大限の注意を払っています。

 今日は少し長くなりました。皆さん、よい一日をお過ごしください。