FP法人㈱マネーデザインの 中村です。

先週も関東地方は酷暑の一週間となりました。台風12号が南からの湿った空気を運びこみ、寝苦しい熱帯夜が続き、なかなか疲れが抜けない方も多いのではないでしょうか。まさに盛夏ですが、今週8月7日は「立秋」。御存じの通り二十四節季のひとつで、秋の気配が感じられる頃とされ、この日から立冬の前日までが秋となります。夏休みの真っ只中でもあり、まだまだ暑さも厳しい頃ですが、日を追うごとに秋の涼やかな風を感じるようになります。季節のあいさつ状は、この日を境に「暑中見舞い」から「残暑見舞い」へかわります。また暑中見舞いなら、日付のあとに「盛夏」と書きますが、残暑見舞いでは、「晩夏」や「八月」「葉月」などに。このように暦の季節感は少しずれていますよね。「暦の上では秋ですが…」とよくいわれますが、実際蒸し暑い日々が続き、とても秋とは思えませんね。でも、暑さはピークを迎え、徐々に弱まって秋の気配が感じられるようになります。「秋のはじまりの日」と思えば、季節感がずれているともいえない気がしませんか。今週は、台風11号の動きに目が離せません。後半には、もしかしたら関東地方に近づく恐れもありますので、十分注意しましょう。

 今週は「生命保険の選択の入り口」についてお話していきます。

 皆さんは、世の中にあまたある保険をどのような視点で選択していますか。皆さんが保険加入をした時の状況をもう一度思い起こして見て下さい。その時は冷静に考えていたと思っても、今振り返ると情緒的に経済合理性もあまりない選択をされていた方々も多いのではないでしょうか。

 

1 行動経済学

 数千種類とも言われています保険商品の中から、その保険がご自身にとって最適な保険なのか、自信を持って言える方はごく少数だと思います。また保険会社もライバル社の商品と単純比較されない様、敢えて複雑な商品設計にしていることも選択を難しくしている要因の一つです。

 商品選びをする時に消費者がどのような思考をしてある一つの物を選択するかを科学する学問に、行動経済学があります。保険選択の場面でいえば、まず、選択肢があまりにも多いと、そこであきらめてしまい、購買に結び付かないこともままあるケースです。またある消費者は、販売者に「おススメはなんですか???」と尋ねます。消費者にとっては判断材料があまりにも多い状況を行動経済学では「情報負荷」と呼んでいます。これは、保険販売者からすれば、利益率が高い商品に有利に誘導することができる状態になっていますね。

 さらに、「この商品は、弊社の中でもNo1の売上を記録しています、等権威付けをしますと、消費者の購買決定の一助となります。これが「ハロー効果(権威付け効果)」と呼ばれるものです。

 また、「お守り代わ」「安心料」といったよく考えると何の意味も持たない言葉で、確率の低い病気や事故のリスクを過大に見積もることを「確率の誤謬」といいます。

2.経済合理性の考え方

 先程の、「お守り代わり」といった何の経済合理性の無い言葉で保険を選択することの無意味さを理解していただけたうえで、では何を判断基準としてこの保険を選択すべきか否か、を決めればよいのでしょうか。

 私は、「自分の理解できないものは買わない」と「ご自身の単純な疑問を大切にする」という二点だと考えます。これらの考え方は、金融商品への投資も同じことがいえます。最近の保険商品の中には、その仕組が複雑で、金融商品でいうデリバティブの様なものもあります。例えば外貨建て保険なども良く見かける機会が増えていますが、もしこれらの商品をお考えになる場合には、最低でも為替の基礎知識をお調べになったうえで、ご自身で納得してから購入することが大事だと思います。もし、今後円安になったらこの保険はどうなるのだろう、等わからない時は、営業マンに聞いてみることです。

3.加入すべき保険とは

 では、いったいどういう生命保険に入るべきなのでしょうか。保険の本質とは、リスク対応です。いつ起こるか分からないリスクに対して、それが万が一起こった時に自分の持っている資金では賄いきれないときに、保険の威力が最大限発揮されます。また、FPの中でも、この保険は、お勧めだとか、逆にこの保険はあまりおススメ出来ない、といったものも当然あります。その中で意見が分かれるような商品に敢えて加入する必要はないと思います。例えば、お子様がいるご家庭ですと、そのお子様が自立するまで世帯主の万が一のリスクに備える、という保険はまさに王道中の王道で、お勧めできるものです。

 さらにこういう低金利の時に、定期預金と比較して、金融商品としての保険も比較対象にするケースもあると思います。その場合でも、長期投資が前提ですので、短期での解約が見込まれる場合は、決してお勧めできません。加入後一定期間は、元本割れの状態となりますので、そのあたりも冷静に判断すべきポイントです。

 今週は、保険選択の基礎となるポイントを整理しました。

 良い一日、そして素敵な一週間をお過ごしください。