FP法人(株)マネーデザインの中村です。
昨日は本当に寒かったですね。東京では11月下旬から、12月上旬の寒さだったそうです。今日も昨日とまったく同じ天気で、朝から気温が横ばい。もう、マフラーなど首元を覆うものが欲しいくらいです。急激な気温の変化に体調がついていけないです。皆様もくれぐれも風邪などひかない様御用心して下さい。
今日は二十四節気の一つ霜降(そうこう)、朝の露が霜に変わる頃の季節を表しています。まったくその通りの日となりました。
日曜日から相続をキーワードに、Blogを更新しておりますが、今日のテーマは「遺言の種類」です。
これも以前の弊社のBlogでもまとめましたが、ここでもう一度遺言の種類とそれぞれの特徴をまとめておきます。
よく「相続は争続だ」という言葉が使われますが、争続にならないためのとても有効な手段が「遺言書」の作成です。
原則遺言書があれば、遺産は被相続人が遺言したとおりに分割されます(遺留分の事がありますが、それは明日のBlogで)。
一般的な遺言書の種類は、自筆証書遺言と公正証書遺言の二つです。その他秘密証書遺言がありますが、現在ほとんど使われていませんので、説明は省きます。
1.自筆証書遺言
自筆証書遺言は、簡単で手間がかかりませんが、欠点は相続の開始後、家庭裁判所で内容確認の「検認」の手続きを踏まなければならず、これに約1カ月かかります。
また、遺言の信用度を高める為に、いくつか注意点があります。

  1. 実印を使い、印鑑証明書を同封しておくことが望ましい
  2. 戸籍謄本が検認に必要なので、被相続人が生前用意しておくことが望ましい
  3. 氏名に旧漢字がある場合、それを使って作成する方が望ましい

2.公正証書遺言
公正証書遺言は、原則公証役場に出向く必要があり、費用もかかり、また証人二人が必要となりますが、検認の必要がなく、すぐに遺言執行に取り掛かれます。原本は公証役場で保管され、紛失する心配もありません。東日本大震災の時でも、紛失事例は皆無だったことが報告されています。
このことを踏まえると、まず最初に自筆証書遺言を作成し、タイミングを見計らって公正証書遺言に切り替えるのが良いと思います。
遺言書の内容は、次の4つのポイントは必ず入れるようにしておくと、執行段階で、スムーズに実行されます。

  1.  遺言執行者の指定              誰が遺言を確実にしてくれるかを考える
  2. 相続分の指定                     法定相続分と違う相続分を指定することができる
  3. 遺産分割方法の指定            各相続人に何をいくら与えるのか指定可能
  4. 遺贈               法定相続人以外で遺産を残したい人を指定することが可能

3.遺言書を作成してもらうようにどのように切り出すか
お子さんたちは、ご両親に遺言書を書いてほしい、とスムーズに切り出せますか? ですので、まず被相続人となるお父様、お母様達からアクションを起こし、お子様たちに相続の話を切りだすと、お子様も受けやすいと思います。来年からの相続税改正をきっかけにお話を切り出すのも良いでしょう。
逆にお子様からアプローチをする場合、どんな方法が良いでしょうか? 最初に今後のご両親のライフプランを考え、まずは「これからの生活にいったいいくらかかるのか?」を明確にし、今ある財産目録を作ることを進めるのが良いと思います。御両親がお元気の内は、趣味やスポーツ、はたまた海外ロングステイなど、まだまだやりたい事があるでしょう。その流れの中で、少しづつ相続の手続きを加えて話を持っていくのが現実的だと考えます。
 私たちファイナンシャルプランナーの得意とするところは、ライフプランの作成です。そして相続という場面でも、生命保険や不動産の有効活用を使って、「損をしない相続」を皆様にご提供したいと考えています。相続を切り出すきっかけに、是非私たちファイナンシャルプランナーをご活用ください。
自筆証書遺言と公正証書遺言のまとめ

自筆証書遺言

公正証書遺言

難易度

最も簡単

難しい

費用

ほとんど掛からない

公証役場手数料(16,000円~)、証人依頼代

証人

不要

二人必要

保管

本人、推定相続人、遺言執行者、受遺者、友人など

原本は公証役場、正本と謄本(写し)は本人、推定相続人、受遺者、遺言執行者など

秘密性

遺言の存在、内容共に秘密にできる

遺言の存在、内容共に秘密にできない。証人から内容が漏れる可能性がある。

紛失、変造の可能性

共にある

紛失の場合は再発行できる、変造の可能性はない。

検認

必要

不要

特に有利な点

費用がほとんど掛からない。証人が必要でなく、いつでもどこでも簡単に書ける、新たに作りなおす事も容易にできる。

家庭裁判所での検認が必要ない。公証人が作成するので、無効な遺言書となること、変造されることが少ない。紛失しても謄本を再発行してもらえる。

特に不利な点

紛失、変造、隠匿(隠すこと)等の可能性が高い。遺言の要件を満たしていないと無効な遺言となる可能性がある。家庭裁判所での検認が必要。

費用が余分に掛かる。

お勧め度

★★

★★★★★