【老後シミュレーション】 50歳、貯金4000万円で早期リタイアはできるか(1)

50歳にして貯金が4,000万円あれば、会社を早期リタイアすることはできるのでしょうか? 

最近は、アメリカでFIREという言葉がはやっています。

Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとって名付けられたもので、キャリアの早期から資産形成を行い、それを適切に運用するとともに、生活費をできるだけミニマイズすることで、人生の早い段階で「経済的自立」を達成し、若い時に早期退職をするという動きです。

本来、FIREは早期リタイアの意味で使いますので、アメリカでは30代でそのライフスタイルに移行する前提です。

しかし、このコラムでは、50歳単身世代が4,000万円の貯蓄(元手)でFIREすることが可能か、というシミュレーションを行ってまいります。

アメリカでのFIREの動向

私ははじめ、FIREは「解雇」を意味するものですので、今回のコロナ禍において解雇の動きが加速したのかと思っていましたが、そうではなく、前に書いた通り、早期リタイアして、その後の生活を楽しむといったムーブメントなのです。

ロンドン大学のリンダ・グラットン教授が書いた「ライフ・シフト」は、人生100年時代の生き方が大きく変わる、というのが本の主旨です。

そして、今まで生まれてから22歳までが教育期間、大学卒業して定年60~65歳までが就業期間、そしてそれ以降がセカンドライフと呼ばれ、自分の自由なことをする期間と定義付けられていましたが、人生100年時代ではこの区切りがなくなり、各個人が自由に設定する時代が来ると予言しています。

そして、今まで入社から定年まで一社に勤め上げるという社会の常識が一気に崩れ去り、例えば30歳で大学院に行って学びなおす、別の会社で別の仕事をしてみる、一社だけからの収入ではなく、複線収入を得るなど、多様性を認める社会ができてくるとも述べています。

今回のコロナ禍で、その動きが加速し、リモートワークにより会社に出社する頻度が以前より低下する、それにより組織の在り方、会社での人間関係、評価方法の変化などが現実のものとなりつつあります。

このように、今までの形にはまった働き方だけでなく、生き方の選択肢が多様化することは、これかの時代の趨勢となってくるでしょう。

一度限りの自分の人生を、自分で考え、自分で生き抜く、この醍醐味を味わえる時代になりつつあります。

生活資金としてのお金の問題

FIREを実行に移す場合、当然考える必要があるのは、お金のことです。早期リタイアを成功させるためには、お金を減らさないこと、不労所得をえること、生活費を押さえることがどうしても必要となります。

では、シミュレーションを行う上でどのような順序で考えていくべきなのでしょうか。

事例で見ていきましょう。

  • 必要な生活費がいくらか、算出する

順序としては、これを最初に行う必要があります。生活費、食費、住居費、教育費、趣味・娯楽の費用、そして何より大切なのが老後資金をどう工面するかです。

  • 入金をどのように確保するか考える

収入を得る方法を考える必要があります。早期リタイアという観点から、働かない、時間を労働に使わないという前提です。したがって、いかに不労所得を長期間得るか、その方法を探す必要があります。

具体的な方法やシミュレーションは、次回のコラム(2)でご紹介してまいります。

執筆者 中村 伸一
AFP 宅地建物取引士 日商簿記検定2級 証券外務員1種 生命保険募集人(シニアライフコンサルタント) 変額保険販売資格 高齢者住まいアドバイザー