50代必見!セカンドライフの充実に必要なプラン(人生設計)とは?

セカンドライフの充実には、プランづくりが大切です。貯蓄や家計(生活費)についてしっかり計画を練って、セカンドライフの不安を取り除きましょう。

50代からの人生設計

日本は、健康寿命が世界一の長寿社会を迎えており、2016年11月に出版されベストセラーとなった『ライフ・シフト』(100年時代の人生戦略)の著者であり、ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授によれば、2007年に日本に生まれた子供については、107歳まで生存する可能性は50%もあると言っています。

また、2017年9月に日本政府は、首相を議長とする「人生100年時代構想会議」を設置し、2018年6月まで9回にわたり人生100年時代を見据えた経済・社会システムを実現するためのグランドデザインの検討会議を行いました。

その会議の有識者メンバーとして唯一海外から招待されたグラットン教授は、著書の中でも記されていますが、今までの日本の終身雇用制や教育・就職制度が、【教育】→【仕事】→【引退】といった同世代が一斉に単一(シングル)に進むような3ステージのライフ・スタイルは、すでに過去のもので、高齢化がますます拡大していく社会においては、年齢・性別を問わず、いつでも柔軟な働き方の環境・形態の選択や自身への生涯にわたる教育・キャリア投資が図れるようなマルチステージな人生へのライフ・シフトが重要であると著しています。

50代から自身のマルチステージを形成するうえでは、有形の資産もさながら、学生・社会人生活で習得、経験してきた3つの個人の無形資産が重要であるとも記されています。

  • 生産性資産(今までのキャリアによる要素)・・・仕事や経験で得た知識やスキル、または周囲からの評価をもとに継続的なキャリアアップ、新しいスキルを学習することにより所得・自身の経済的価値の生産性を図る
  • 活力性資産(精神的・肉体的な健康)・・・人に幸福感をもたらし、自分のやる気をかきたてるために、長寿社会において心身ともに健康であること
  • 変身資産(人生の過程で変化を促す)・・・「多様性に富んだ人的ネットワーク」、「自分らしさ・アイデンティティ」、「新しい経験への開かれた姿勢」を柱に常にマルチなステージへの移行を成功させる意思と能力のこと

2019年に厚生労働省が発表した数字に目をむけると、日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳で、男性は8年連続、女性は7年連続で過去最高を更新しています。

            【主な年齢の平均余命】             【平均寿命の年次推移】

  (出典:『厚生労働省 令和元年簡易生命表』

上記表によれば、50代~90代の現年齢によって平均余命は異なってきますが、50代ということで55歳を中間とすると、男性は83.34歳、女性は88.79歳が平均余命ということになります。

これらは、現在またはこれからも年々進化する医療技術や医薬領域の開発等で健康寿命が確実に伸びて行く事は確実です。

人生100年といわれる長寿時代および高齢者社会を迎えた今、50歳代以降の人生を、無形資産をマルチなステージで積極的に活用しつつ、計画的な有形資産(貯蓄、不動産等)の利用および運用をすることによって、自分が理想とする人生設計・生活がおくれることになるでしょう。

50代の貯蓄目標は一体いくら?

まずは、貯蓄目標額のために退職後の生活資金総額と対する収入を、以下の項目・計算式で大まかに試算してみましょう。

1.退職後の生活資金総額

【計算式】

[退職時手取り年収] x [老後生活費率 (*1)] x [生活年数] = [退職後生活資金総額]

例として、夫 定年60歳、退職時の手取り600万、95歳まで生存すると仮定

 600(万) x 71(%) x 35(年) = 14,910(万)・・・(A)

(*1) 老後生活費率とは、退職・老後の生活費を退職前の現役時代と比較して何割程度に抑えられるのかの指標。退職時の本人年収により割合は上下すると言われている。

また、上記著書の『ライフ・シフト』では、70(%)~85(%)とも記されているが、ここでは、下記「2019年 総務省 家計調査年報(家計収支編)」の統計データより平均値として50代消費支出額の354,252円と、65歳以上の252,738円との比較で、その割合を71(%)で計算

【世帯主の年齢階級別消費支出額(二人以上の世帯) – 2019年-】

(出典:『総務省 家計調査年報(家計収支編) 2019年』)

2.退職後の収入

 ※すべて一般的な例で試算

(夫:サラリーマン、妻:専業主婦で65歳より公的年金を受給 共に95歳まで生存)

  • 退職金:              2,200(万)
  • 公的年金:           24(万) x 12(ヶ月) x 30(年) = 8,640(万)

収入合計(①+②):    10,840()・・・(B)

3.目標貯蓄額 

上記項目1、2の試算から、4,070(万円)が目標貯蓄総額となる。(A – B)

 14,910(万)  –  10,840(万)  =  4,070(万)・・・(C)     

次にその目標貯蓄総額に対して50代からの資金の貯め方や無理ない自身の理想の老後生活をおくるためにもその貯蓄方法について見ていきましょう。

50歳代の老後資金の貯め方

総額省から発表されている「2019年 総務省 家計調査年報(貯蓄・負債編)」の統計データによると二人以上の世帯に対し、世帯主の年代別に一世帯あたりの貯蓄・負債額として50代の過半数の55.3(%)は平均652(万)の負債残高がある世帯です。

ここでは、前章で試算した4,070(万円)の目標貯蓄総額を参考に、負債残高世帯がその差分額をどうすればいいかを考えて見ましょう。

まずは、下記総務省データから50代の負債残高世帯の貯蓄残高から負債残高を差し引いた金額を純粋な貯蓄額とすると、1,052(万円)となります。

1,704(万) – 652(万) = 1,052(万)・・・(D)

【世帯主の年齢階級別貯蓄・負債残高、負債保有世帯の割合(二人以上の世帯)- 2019年-】

(出典:『総務省 家計調査年報(貯蓄・負債編) 2019年』)

よって、自助努力として更に必要な目標額として単純計算(C - D) すると3,018(万円)になります。

 4,070(万)  –  1,052(万) =  3,018(万)

※ちなみに50代の44.7(%)の負債残高のない世帯の更に必要な目標額は、2,366(万円)

更に必要な目標額である約3,000(万円)を50代前半なのか後半の年齢によって、貯蓄方法も多少異なると思われますが、2019年厚生労働省からの『高年齢者の雇用状況 集計結果』の報告書のトップに以下のように記載されています。

Ⅰ 65歳までの高年齢者雇用確保措置のある企業の状況

  • 65歳までの雇用確保措置のある企業は99.8%
  • 65歳定年企業は17.2%(対前年1.1ポイント増)

Ⅱ 66歳以上働ける企業の状況

  •  66歳以上働ける制度のある企業は30.8%(対前年3.2ポイント増)
  •  70歳以上働ける制度のある企業は28.9%(対前年3.1ポイント増)
  • 定年制廃止企業は2.7%(対前年0.1ポイント増) 

よって、会社員であれば60歳以降、再雇用契約等により年収は減ってしまうケースもありますが、2019年厚生労働省からの「平成30年年賃金構造基本統計調査の概況」の報告書によると、雇用形態は正社員、非正社員と異なるものの、夫が60~64歳まで非正社員(嘱託)として継続勤務すれば、約310(万円)の年収となり、5年間で1,550(万円)の収入が見込めます

【雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差】

(出典:『厚生労働省 平成30年年賃金構造基本統計調査の概況』)

また、年間40万円の上限にはなるが、月々3万円を10年、15年と「つみたてNISA」で投資運用していくことも考えていく必要があります。

まとめ

今回のコロナ禍により、ライフ・スタイルは大きく変わっています。50歳という人生100年時代の折り返し地点で、もう一度「リ・ライフデザイン」を行ってみませんか。

マネーデザイン 参考コラム 

執筆者 都甲 雅彦
宅地建物取引士 証券外務員1種
外資系金融機関で長年システムインフラに携わる経歴を持つ。