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老後の住まい選びでは、戸建てがいいのかマンションがいいのか、迷いどころです。今回は、特にマンションでの老後の暮らしについて良い点だけでなく、デメリットや他の人が選んで後悔している点などをご紹介します。

老後の一戸建てとマンション どちらが良い?

「人生100年時代」と言われる長寿・高齢化社会において、50歳をすぎれば折り返し点となります。

子供たちの教育費用、住宅ローンからもそろそろ解放され、自身の充実したセカンドライフにむけ,準備・計画、実行していくステージだと思います。

その暮らしのベースとなるのが「住まい」であり、高齢期においても若々しくアクティブで健康的な老後生活をおくり、その後の介護への備えのためにも持ち家をリフォームするか、建て替えるか、または住み替えるかなど選択肢は様々だといえます。

これからの暮らし方をしっかり見据え明るいシニアライフの実現のために、老後の住まいとして、まずは「一戸建て」か「マンション」かいいのか?ということになりますが、持ち家に対するランニングコストとして、以下の共通した3つの維持費がかかります。

  • 修繕費用・修繕積立金
  • 税金(固定資産税・都市計画税)
  • 保険費用(火災保険[*1]・団体信用生命保険等) [*1] 住宅ローン設定時に加入が必須

マンションの場合、さらに共有エリアのセキュリティ、エレベーター・駐車場等の設備管理、清掃、管理人の人件費等の管理費用が毎月発生してきます。

これらの費用を考慮すると、数十年同一物件に住み続けるのであれば、一般的にはマンションのほうが維持費用はかかるといわれています。

国土交通省の2018年の調べによると、「持ち家に居住する高齢者の多くは、子どもたちの独立等に伴い、広すぎる住宅に、夫婦または単身で暮らしており、居住人数と住宅の規模にミスマッチが生じている。例えば、持ち家に居住する 65 歳以上の単身・夫婦のみ1,136 万世帯のうちその約 44%にあたる約 500万世帯は 100 ㎡以上の住宅に住んでいる。部屋数が多く大きな庭などのある広い住宅の維持管理は、加齢に伴い困難になってくる。」と言われています。

そこで、老後の住まい選びをする場合、高齢期に快適で自分らしい日常生活をおくるために、安全・安心な生活空間と、公共交通機関、スーパー・商店街、銀行、郵便局や医療機関等の利便性のある立地でコンパクトな物件が求められるでしょう。

では、これらのポイントから、マンションが老後の住まいとして適しているか、メリット、デメリットを考慮しながらみていきたいと思います。

老後に住むマンションの実態とは

2019年に国土交通省は、65~74 歳のいわゆる「アクティブシニア」といわれる世代及びこれから高齢期を迎える 50~64 歳のいわゆる「プレシニア」といわれる世代を主な対象に、「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」をとりまとめました。

背景としては、高齢者のいる世帯のうち約8割は持ち家に居住しており、その約半分は一定のバリアフリーの条件を備えています。一方で残りは、バリアフリーの配慮がなく、1981年以前に建てられた建築物で現行の耐震基準も満たされてない可能性もあります。

ガイドラインが目指す住まいのイメージ/目標としては以下の4つとなっています。

  • 長く健康に暮らせる「住まい」
  • 自立して自分らしく暮らせる「住まい」
  • 介護が必要になってからも暮らせる「住まい」
  • 次世代に継承できる良質な「住まい」

また、具体的に以下の8項目は、高齢期を安心して快適に暮らすために配慮すべく住まいの改修のポイントとなっています。

住み替え時、バリアフリーの物件、または一般中古物件を購入し、リノベーションを行う際に参考にして下さい。

国土交通省 高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン 平成31年

(出典:『国土交通省 高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン 平成31年』)

老後、豊かで快適な生活をおくるために、50代~60代で利便性を考えたマンションへ住み替える方が増えています。

いままでの住まいよりダウンサイジングしたコンパクトな立地の良いマンションへの住み替えのケースとして、(1)郊外の一戸建からマンションへ(2)郊外の広いマンションから駅近いコンパクトなマンション があります。

そのメリットとしては、主に以下の項目が考えられます。

  • エントランスや出入り口のオートロック、エレベーター等に監視カメラがあり、24時間セキュリティが整備されている
  • 利便性の高い立地のマンションであれば、自家用車は不要になり、徒歩圏内で買物や生活ができる
  • 車の維持費用が削減できるうえに、歩くことは健康に良い、駅が近いので気軽に外出できる
  • 一戸建てと違い、共有部や建物の清掃・メンテナンスに気を配る必要がない
  • 将来、介護のために施設に入居になった場合や、子供への相続時に利便性の高いマンションであれば、資産価値になり売却も容易
  • マンションのエントランスから家の玄関までバリアフリー、部屋もワンフロアで段差もなく安全な間取りになっている

では、次に老後の住まいとしてのマンションのデメリットを見てみましょう。

  老後にマンションに住むデメリット

まず、マンションが、一戸建て住居と比べて、デメリットと考えられるポイントをあげます。

  • 生活音やリフォーム時の作業音に対し、上下左右の周囲の住民に考慮しなければならない
  • 毎月、管理費や修繕積立金が必要で、住宅ローンが終わっても支払いは続く
  • 築年数が古くなるにつれ、管理費・修繕積立金が値上がりする場合が多い
  • 災害時、高層階の場合の避難は困難である

これまで、一戸建てに長年居住されていた50~60代の方が、集合住宅への住み替える際の注意点は以下の通りです。

  • 建物の防音構造がしっかりしているマンションを選択
  • 中古マンションを購入する場合は、大規模修繕が計画的に行われている履歴があることや、修繕積立金が不足なく貯まっていることを確認
  • 住み慣れたエリア内での住み替えの場合、親の介護や子供たち家族との関わり合いでI/J/Uターンとなるエリアへの住み替えになる可能性が高い。住み替え後の日常生活にどれだけの変化を望み、自身のセカンドライフに生かしていくのかでの選択が必要。

老後にマンションに住んだ後の後悔とは?

住み替え時には、購入資金計画が必要です。 多くの方は、いままでの居住物件が、いくらで売却できるかを考慮・査定をせずに、マンション購入に先走ってしまいがちです。

特に、現在の住まいが郊外の一戸建ての場合、想定していたより低い売却価格になる傾向があります。

事前に、売却と購入のタイミングを見定めた資金計画が、何より大切です。

執筆者 都甲 雅彦
宅地建物取引士 証券外務員1種
外資系金融機関で長年システムインフラに携わる経歴を持つ。