持ち家なしの老後は不安? 持ち家・賃貸で老後の生活や資金繰りはどれほど違うのか

持ち家比率が高い日本では、持ち家なしの老後に対して不安を覚えることがあるでしょう。 実際のところ、持ち家がないことにリスクはあるのでしょうか? また、賃貸と持ち家とではどちらがいいのでしょうか?これらについて解説していきます。

持ち家なしの老後生活はどうなるか

日本の持ち家比率は、全体で見ると6割前後、高齢になるほどその比率は高くなり、60代以上では8割前後になり、日本人の持ち家志向が高いことが伺えます。

賃貸が良いのか持ち家が良いのかは常に問われるテーマですが、断定的にどちらが良いと言えるものではなく、どちらが良いかは本当にケースバイケースです。

その特徴として全般的に見て、賃貸と所有でかかるお金の面を比較すると、“同一グレードの住居で比較する”、“所有の場合には住宅ローンを組む”といった前提条件はありますが、人生の前半では、所有より賃貸の方がかかるコストが少なくなり、人生の後半では(住宅ローンが終ると)逆転して賃貸より所有の方がかかるコストが少なくなるという傾向にあります。

このことから言えることは、所有は前半頑張った分後半に楽ができて、賃貸は前半が楽な分、大変になる後半のためにお金をしっかり貯めておく必要がある、ともいえるでしょう。

生涯 賃貸で過ごすためには、一層の貯蓄力や資産管理力が必要になるのは間違いありません。

賃貸住まいで老後を迎える

老後を賃貸で過ごそうとする場合に一番の懸念材料は、高齢者に貸してくれる物件が少ない又は無いのでは、という点です。

特に、配偶者が先に亡くなり、ひとりだけになった後の高齢者に貸すのは、病気や介護、更に孤独死など、賃借人に何が起こるかわからない不安もあり、躊躇してしまう大家さんが多いと聞きます。

一方で、今後ますます進む高齢化社会では、高齢者の賃貸需要も増えることが予想され、公的制度などで高齢者でも賃貸物件を探せる環境が今よりは整うことが予想されますが、それが現実のこととなるかは未知数です。

その不安を少なくするために、頼れる家族がいることそして貯蓄や資産を持つことが、老後の住居の選択肢を広げられることになります。

計画的に貯蓄や資産をつくることは、住居を所有する場合でも大切なことですが、賃貸の場合は更に念入りにお金のマネージメントが必要になります。

賃貸の場合、老後に後悔するか

これから購入する住居が、資産価値があり、さらにその価格が維持できるかどうかという点も大事なポイントです。不動産を所有した場合、それ自体が資産になり、いざというときにその家を売ったり貸したりもできますが、賃貸の場合にはそれができません。

ひと昔前は、住居を買ったら亡くなる時まで住み続ける、ということが多かったと思いますが、最近では、その住居を老後のために活用するという考え方が出てきました。

その考え方の代表的なものが、「リバースモーゲージ」という金融商品です。

これは、老後資金などのために、住居を担保に返さなくて良い資金を金融機関から借りて、自分や配偶者が亡くなった後に、その住居で清算してもらえるという仕組みです。

人生100年時代と言われ、長寿が当たり前の時代になる一方、公的年金が減っていく今後、リバースモーゲージは、注目に値する商品と言えるでしょう。またこれと類似のサービスも増えてくることでしょう。

このような状況は、これからは不動産という資産も、お金の資産と同じように資産運用や資産活用していく時代になっていく、ということを意味しています。

賃貸で後悔する一番のパターンは、計画的な貯蓄や資産管理をしないまま老後を迎え、長生きの途中で貯蓄が底をついてしまうことです。

その時に、自宅を所有していたら、リバースモーゲージなどのサービスを活用することで、年金を中心にしながらセカンドライフを充実したものにしていくことは、さほど大変なことではありません。

一方賃貸物件に住むメリットは、人生の前半部分から、しっかり資産管理ができるようでしたら、賃貸物件に住みながら余裕分の資金を資産運用する、引っ越しがしやすい、収入状況によってダウンサイジングできる、災害リスクを負わなくて良いなどでしょう。

若い時は、体力で何とかなる部分もありますが、足腰や体力気力が衰えてきた老後には貯蓄や資産の重要性が身に染みて感じてきます。

賃貸にせよ、所有するにせよ、それぞれの特徴と自身の理想のライフデザインを考えながら、計画的に資金計画と資産管理を行うことが、公的年金が減っていく人生100年時代には必須といっても過言ではありません。

マネーデザインでは、それぞれの方の希望のライフデザインの実現をテーマに、資金計画や資産管理サポートの中で、資産運用の中で考える住居探しのお手伝いをしております。