
老後に一人暮らしする家は、どのような場所を選択すべきなのでしょうか。また、賃貸と持ち家どちらにメリットが大きいのでしょうか?今回は、老後の一人暮らしのための家を探すときに押さえておきたいポイントを解説します。
老後 一人暮らし 選び方
老後に住む場所
老後を1人で暮らす人の割合は年々増えています。
お年寄り(65歳以上)の1人だけの単身世帯は2019年の調査で、世帯数の約3割ほどになっており、今後高齢者人口が増えるにしたがってその人数はますます増えると言われています。
お年寄りの方々は、老後1人暮らしは全く知らない土地に住むというよりは、今の住まいの近くであったり、実家の近くや子供が住んでいる場所の近くを選ぶ人が多い傾向にあります。
趣味や田舎など憧れの土地で暮らしたいと考える方もいますが、その場合は立地条件や行政サービス、公共サービスや交通機関など生活インフラなど現実的な部分も事前にしっかり確認することが重要です。
住み慣れない環境と不便さ、またコミュニティーに馴染めず後悔される事例も多いです。
一般的に老後1人暮らしの場所は、商業施設や公共施設、医療施設等が凝縮されている駅近のエリアがおすすめです。
老後の一人暮らしの理想の間取り
老後の住居として近年は、段差がなくセキュリティーも安心で手入れも楽なマンションを希望される方が多いのも事実です。
広すぎて使わない部屋があっても、手入れが大変なだけで、高齢になるほど足腰も弱り、戸建の2階の部屋はここ数年見たこともない、なんて方もいらっしゃいました。
私でしたら、南向きで暖かく、そこそこ広い床暖房のついたリビングとそこに面していつでも横になれる和室があり、そして寝室がもう1つある2LDK・60㎡くらいのマンションで老後は過ごしたい、と思いますが、事実そのような間取りが一般的にも好まれる傾向にあるようです。
また、いずれ年を重ね車椅子生活になるようなことがあっても、車いすが通ることができる広い廊下や導線であったり、段差がなく、手すりが多いといったバリアフリー設計であることも重要なポイントになります。
老後 一人暮らし 賃貸
老後の賃貸物件の家賃相場
高齢者(65歳以上)の持ち家率は80%以上で残りの20%の賃貸の方の住居費(家賃)は4万円~6万円が多いというデータがあります。
しかしこれからは、老後の住まい方の価値観が多様になり、老後賃貸の相場はもっと高くなるでしょう。
2019年6月に金融庁金融審議会・市場ワーキンググループ報告書で報告された、公的年金だけでは老後2000万円不足とする計算根拠は、持ち家率が多いことにより住居費を月額14,000円で試算しているのですが、老後も賃貸で過ごす方の住居費は、もっと高くなり、老後不足する金額は2000万円では全然足りないということになります。
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老後に賃貸物件が借りられないリスク
表題の答えとしては、高齢者はまだまだ賃貸は借りにくい状況にあります。
賃借人が介護状態になったり、孤独死をするなど、万が一のリスクを恐れている大家さんが多いことによります。
大家さんが高齢者に安心して貸せるように、一部の管理会社や警備会社等が賃借人の見守りサービス等を提供したりする事例もできてきていますが、まだまだその効果は見られません。
高齢者の賃貸選びは、立地など住みたいところに住むという選び方ができず、高齢者でも借りられる物件を探し、さらに選択肢も少なくなるというのが現実なのです。
今後高齢者がどんどん増えていく状況で、高齢者の住居問題をどう解決するのか、政府の施策に期待したいところです。
老後における一人暮らしでの生活費
老後は年金収入しかない一方で、月額最低14万円~15万円の生活費が必要であると言われています。
賃貸の場合は持ち家より住居費が掛かる分、最低月額20万円前後の金額を確保したいところです。
更に趣味や旅行など、老後の人生に花を添えるお金も必要です。
家を所有するか一生涯賃貸で過ごすか、どちらにせよそれぞれに合った、しっかりとした資金計画をたてることはとても大事なことです。
所有する場合は前半の負担が多く後半は負担が少なくなり、賃貸の場合は前半の負担が少なく後半の負担が多くなる傾向があります。
人生100年時代と言われる長寿社会では、人生の前半にお金を使いすぎて、まだまだ長い後半を我慢して過ごさなければいけない、というような未来は避けたいものです。
しっかりとした資金計画を立てれば、人生の後半が楽になる所有という選択肢も広がりますし、後半に負担が重くなる賃貸生活の不安を減らすことができます。
マネーデザインでは、しっかりとしたライフプランと資金計画をもとにした、50代からの住まいと希望のライフデザイン実現のサポートを専門としております。
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