住宅の模型と木の車

老後は、人生で2回目の住宅取得の機会が訪れると言われています。言い換えれば、住み替えのチャンスです。

平成31年3月に公表された、国土交通省の住宅局「平成30年度住宅市場動向調査~調査結果の概要~」によると、住宅二次取得者の年齢層は、以下のようになっています。

◯住宅二次取得者の世帯主の年齢

二次取得物件二次取得の世帯主の平均年齢
注文住宅(※)59.5歳
分譲戸建住宅47.6歳
分譲マンション55.4歳
中古戸建住宅53.2歳
中古マンション56.8歳

※注文住宅は建て替えを除く

平均年齢で見ると、定年退職前の時期に住宅の二次取得をしている人が多いことがわかります。つまり、家族構成が変化や定年退職を見据えて、そして老後の暮らしを考えて、住み替えを検討している人が多いようです。

今回はこのような背景をふまえて、老後の住み替えの注意点や意識しておくべきポイントを紹介していきます。

老後の住み替えを検討する際の注意点

老後に住み替えをする際は、いろいろなことに注意しなくてはなりません。ここでは、3つの注意点を紹介します。

住宅ローン審査に注意

老後にむけて住宅ローンを組む場合、審査の厳しさに注意が必要です。年齢が上がれば、収入に対する返済比率や死亡リスクが上昇するからです。また、完済時の年齢で「75歳未満」「80歳未満」など、金融機関ごとに年齢制限が設けられていることもあります。

厳しい審査を通過するためには、老後資金を確保しつつ、できるだけ多くの自己資金を入れて、借り入れを最小限にすることがポイントです。年金などの収入と生活費のバランスをよく検討して、決めるとよいでしょう。

医療費や介護費の増加に注意

借入れ額を少なくするため、退職金や貯蓄を充てていこうという考え方もあります。

しかし若い世代とは異なり、住宅のために貯蓄を削ることはあまり良い方法とは言えません。高齢になるほど、医療費や介護費など家計支出も変化しやすいからです。

老後資金が最優先ですので、資金的に厳しい場合は購入する物件のランクを高く設定しない方がよいでしょう。

万一の場合に注意

ローン返済をしていくにあたり、万一の場合に備えなくてはなりません。

多くの住宅ローンでは「団体信用生命保険(団信)」への加入が必要です。団信とは、住宅ローンの債務者が死亡・高度障害状態になった場合に保険から残債に充当する制度です。団信への加入が任意のローンもありますが、負債を抱える以上は保険による保障は必須と考えましょう。

すでに契約中の生命保険があれば団信の代わりになりますので、もしもの際には住宅ローンと相殺する点を身内と共有しておきましょう。逆に団信に加入できるのであれば、最低限度以外の保障は不要になるともいえます。その他、親子2世代で住宅ローンを返済していくリレー方式のローンであれば、子が団信に加入してローンを利用する方法もあります。

いずれにしても、住み替えを計画している場合はできるだけ健康なうちに検討しましょう。既存の保険を代用できる場合も、ローンの返済年数を考えて、できるだけ年齢の若いうちに進めていくことがポイントです。

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私たちマネーデザインは、住宅の住み替えだけでなく、老後のお金についてのプロフェッショナル集団です。さまざまなお悩みにお答えさせていただきますので、「まだ住み替えるか迷っている」という方でも、お気軽にご相談ください!

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老後の住まいと生活の選択肢

老後の住まいの選択肢として、マンション・戸建てどちらにするのか、ということも重要なポイントです。それぞれの特徴を見ていきます。

老後生活にとって「マンション」か「戸建て」か

老後生活を考える上で、セキュリティやバリアフリーは欠かせない性能です。段差の少ない室内や、開閉しやすいドア、スペース広めのトイレのほか、廊下の幅が一般住宅よりも広めの90cm規格であれば、車いすでも移動がスムーズです。

このようなセキュリティやバリアフリーの面について、マンション・戸建ての違いを見ていきましょう。

【住み方の違いと特徴】

マンション戸建て
セキュリティー面
  • 防犯・防災面で安心
  • 居住空間周辺の管理も簡単
  • 防犯が必要
  • 庭、屋根など、屋内外の維持管理
バリアフリー面
  • 専有部・共有部ともに段差が少ない
  • バリアフリー的な物件が多い
  • コンパクトな暮らしに適している
  • 自由にリフォーム・建て替えできる
  • 駐車場を敷地内に確保しやすい
費用面
  • 管理費・修繕積立金・駐車場の負担
  • 火災・地震保険料が戸建てよりも安い
  • 気密性が高く冷暖房の効率がよい
  • 個人で維持費の準備が必要

マンションは、月々の費用は掛かるものの、セキュリティ面や防災性能に安心感があります。耐震については、新耐震基準となる、1981年(昭和56年)6月1日以降が建築確認日であることが一つの目安です。

また、設備上のトラブルが起きた際にも管理会社の手配でスムーズに片付くことが多く、維持管理もプロの手配があるので安心できる点がメリットでしょう。

戸建ては、自分の土地・住宅として所有できる大きなメリットがある反面、個人で防犯や維持管理をする必要があります。

同じエリアで購入する場合、一般的にマンションより戸建ての方が価格が高めですが、戸建てはランニングコストを抑えられるという特徴があります。

住み替え先の「立地」

高齢になると、若いときには考えることがない視点での利便性も重要となります。

年齢的に運転や歩行が難しくなった時に、最寄駅やバス停への近かったり、坂・階段などが少ない地形であったりすれば、生活利便性は高いでしょう。徒歩圏内にスーパーや病院があることや、身内が訪問しやすいエリアであるかどうかも、利便性に関わります。

また、災害の少ない地域や防災機能の高いエリアであれば、安全性も高くなります。防災マップなどの最新情報もチェックもした上で、立地を検討していきましょう。

老後の住み替えで後悔しないために

自宅を売却して住み替える場合、不動産会社に査定依頼を出してから、不動産の査定や契約、売買に関わる契約、引き渡しなど、様々なステップがあります。

また、購入が先行する場合と売却が先行する場合で違いが出てきますので見てみましょう。

「売却」「購入」の順番と資金計画

購入先行/転居が先の場合売却先行/売れてから新居を購入する場合
  • 仮住まい不要で、退去した状態で売却できる
  • 持ち家の住宅ローンが残っている場合、二重ローンになる可能性もある
  • 売却益を確定できるが、売れるまでの日程予測が難しい
  • 居住状態で売却するため、内覧対応しにくいケースがある
  • 仮住まいが必要になるケースもある

物件は、購入したい物件が見つかった時が買う時だといえますし、売れる機会がめぐってきた時が売却のチャンスだといえます。そのため、どちらが先でも対応できるように、資金計画を第一に進めていきましょう。

その際、売却する家に住宅ローンが残っている場合は、注意が必要です。売却しても債務が残る場合は差額に充てる資金を用意する必要があります。不動産は原則としてローンを完済して抵当権を外さなければ売却できないからです。

タイミングによっては「住み替えローン」利用する方法もありますが、新たな借入に残債を上乗せするというリスクがあります。可能な範囲で繰り上げ返済をするなどの対策が必要なケースもありますので、資金計画について専門家に相談しておくと安心でしょう。

▽今の家に残債がない場合

今の家に残債がない場合は、いつでも購入・売却できるように家の中外を整理していきましょう。また、売却ではなく賃貸に出す場合は、一般的にリフォームが必要となり、物件管理も必須となります。不動産会社に管理を委託するにも資金が必要であり、物件所有者として継続して固定資産税や維持管理費も必要です。また、常に家賃収入が入ってくるとは限らないというリスクもありますので注意しましょう。

ライフプランが重要

資金の範囲内で、自分にとってできるだけ暮らしやすい住居を探すことが大切です。また、子どもなどに資産として残す際には、物件の価値も重要になります。

重視するポイントは人それぞれだと思いますが、納得のいく住み替えを実現していくために、いろいろと調べておくとよいでしょう。正しい知識を身につけることで、もしかすると、「高齢になっても賃貸物件の方が気楽だ」「介護施設や老人ホームに入居するまでは賃貸物件で充分だ」と考える方もいるかもしれません。

もし自身で調べることが難しいのであれば、専門家に聞くとよいでしょう。ファイナンシャル・プランナー(FP)ならば、資金繰りや住居の探し方など、幅広い悩みに答えてくれるでしょう。

老後に強いFP事務所

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