50代で生命保険は不要? 保険に入っていない場合に起こること

50代、まだまだ若いからと生命保険が不要だと考えている人もいるでしょう。実際のところ、生命保険はいらないのでしょうか?今回は、生命保険に入っていないとどうなるか、みていきます。

50代でも生命保険への加入は不要、と言われる理由

「もしも」の病気や怪我に備えて加入する生命保険は、一般的には年齢が上がるに伴って支払う保険料も増加します。年齢と共に保険料が増えることの最大の理由は、加齢に伴って発症する疾患のリスクが高まることにあります。一方「疾患などのリスクが高まりやすい50代であっても、必ずしも生命保険に加入する必要はない」という考え方もあります。

公的保険の制度が充実しているから

日本は世界各国と比較しても、公的な保険制度が充実した国であると言われます。
事実、日本では原則として国民が何らかの公的保険制度へ加入する仕組みが整っています。
医療費は原則として3割以下の負担
扶養家族は配偶者が死亡しても遺族年金を受け取れる
など、民間企業が提供する任意の生命保険へ加入していなくても、充実した保障が用意されています。

一方で公的年金の保障範囲で考えると、配偶者が万が一死亡した場合に支給される遺族基礎年金は、18歳未満(障害がある場合は20歳)の子どもがいることが要件ですから、何人かいる子どものうち1人が成長して18歳(20歳)になれば、その子どもの分の加算額はなくなります。 末子が18歳(20歳)になった時点で遺族基礎年金はもらえなくなります。 子どもが亡くなったり、養子に出た場合なども同様です。

厚生年金へ加入していない世帯(自営業やフリーランス)の場合、夫婦に子供がいない場合は、遺族年金が受け取れない場合がある、というリスクを認識することが大切です。
※寡婦年金や死亡一時金など他の遺族給付は受け取れる場合もあります。

会社員の場合は厚生年金へ加入しているため、子供がいない世帯であっても遺族厚生年金を受け取れます。しかし亡くなった配偶者が将来受け取れるはずだった老齢年金を満額で受給できるわけではありませんので、生前の収入によっては支給される金額も少なくなります。

このような、公的年金でもカバーできない万が一の備えとして民間の生命保険が存在するのです。

独身のため、お金を残したい家族がいないケース

「自分は独身で、養う家族はいない。援助する親もいないので、何かあっても経済的に困る家族がいない」という独身の方は、積極的に生命保険への加入を考えることは少ないと思います。

先ほど紹介した通り、万が一病気や怪我を患った場合でも、高額療養費制度などによって極端に高額な医療費自己負担を求められることはなく、その結果、最低限の生活が保証されるので安心です。独身で、入院した場合でも充分生活できる程度の貯金がある場合は、より資産運用に力を入れていかれるのも一つの考え方です。

ただし、『手元に2〜3ヶ月分の生活費も貯金できていない』という方の場合は、話は別です。医療保険、がん保険などの第三分野の保険は万が一の身体の変調に備えるもので、こういった方には、これらの保障は必要です。

50代で生命保険に加入していない人の割合

ここで、生命保険の加入割合に関する統計調査を見てみましょう。

生命保険文化センターが実施した令和元年度生活保障に関する調査によると、全世代での生命保険の加入率は82.1%です。
※生命保険に関する比較のため、個人年金保険の加入率は除く

なかでも、50代の生命保険への加入率は男性86.1%、女性87.3%です。

同じ調査での20代における回答は、男性58.5%、女性59.9%ですので、
・加齢と共に発症しうる疾患に備えた
・家族が増えて、経済的に守る対象が増えた
・収入が増えて保険へ回せるお金ができた
などの理由で、20代よりも生命保険で家計の備えを作る人の割合が増えていることがわかります。

生命保険へ加入しておいた方が良い方とは

 

経済的に守りたい家族がいらっしゃる方

「もしもの場合、残された家族にお金を残すために」と生命保険を考えておられる方も多くいらっしゃいます。

特に主な収入の担い手が亡くなった場合を考えますと、

・配偶者が遺族基礎年金を受け取れない場合(18歳以下のお子様がいらっしゃらない場合)
・遺族基礎年金だけでは配偶者の老後資金が不足する場合
・遺族厚生年金の支給金額へ不安がある場合

このような場合は、残されたご家族が老後資金を確実に受け取れるような保障内容の生命保険への加入をお勧めいたします。

貯金に不安のある方、貯蓄を取り崩したくない方

たとえシングルの方で「お金を残したい家族がいない」という場合であっても、生命保険へ加入しておいた方が良い場合もあります。万が一の事態に陥ったとき、十分な蓄えがなく、当面の生活費に不安があるといった場合です。

保険は四角、運用は三角、という言葉があります。生命保険は、加入承認が下りた後、万が一のことが起きた場合は、すぐに保険金が給付されます。一方運用は、積立に代表されるように、ある程度の年月が経たないと、万が一の時に必要な資産が積みあがっていないことも考えられます。このように、生命保険と資産運用を上手に組み合わせることで、家族に万が一のことがあっても心配を少なくすることができます。

わかりやすくたとえますと、自己負担医療費に20万円必要となり、これから月々5000円ずつ貯蓄しても、満額に至るまでには40ヶ月の時間が掛かります。20万円が貯まるまでの間に入院することになったら、自己負担の医療費を用意できない状況に陥ってしまいます。

しかしながら、保険への加入契約が済んでいれば、月額の保険料を払っており、かつ、給付要件さえ満たせば、いつでも入院した場合の保険金を受け取ることができます。また、「起業資金のため」「車を買うため」など、目的をもって貯めているお金を、突然起こりうる病気や怪我によって取り崩したくないという方も、生命保険を使うことで、安心を買うことができます。

保険選びは、専門家からの提案を受けると良い理由

既にご紹介したケースの他にも、「自営業だから、自分が休むと収入減へ直結するので備えたい」「老後資金を蓄えつつ、リスクに備えたい」など、それぞれの家庭の状況によって求める保険も異なるものです。

また生命保険には貯蓄型のプランも各種揃っていて、老後資金への備えを持たせる役割も担いますので、資産運用的な観点からも、どの生命保険が適切なのかの判断が求められます。