私的年金や老後に向けた資産形成方法として、不動産投資が注目されています。では、老後を豊かにするためには、不動産投資は有効なのでしょうか。老後に備えた不動産投資のメリット・デメリットからリスクまで、また不動産投資以外の方法などについても紹介します。
老後に備えた不動産投資をするメリット
老後に備えて資産形成をすることは非常に重要になります。
資産形成の手段は多数ありますが、その中でも不動産投資はおすすめの手段です。
老後に備えて不動産投資をするメリットは以下の3つあります。
- 年金の代わりになる
- 生命保険の代わりになる
- 年金不足に対応できるだけの資産を形成する
それぞれについて説明します。
不動産投資が年金の代わりになる
老後の生活資金となる年金は、支給額が年々減少しています。資金不足になることも考えられるため、不動産投資が不足する年金対策になります。その理由は年金と同様に、一定期間ごとに安定的に収入が得られるからです。
令和元年の厚生年金の平均年金月額は144,268円で、基礎年金は56,049円でした。
例えば、夫が会社員、妻が主婦で上記の平均の年金額を受けている家庭では、年金給付額は200,317円です。
この年金額だけでは、ゆとりある老後を過ごすには金額が少ないと感じる方は少なくありません。
そのため、不動産投資と年金を組み合わせて収入を得ることを狙います。
不動産投資は空室がない限り、毎月安定した収入が得られるので、年金と合わせると余裕を持った生活が可能になるのです。
参考URL:厚生労働省平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
生命保険の代わりになる
不動産投資をする際に金融機関から融資を受けたなら、団体信用生命保険に加入できます。
団体信用生命保険とは、融資を受けた方が病気や事故によって死亡や重度の障害になった場合に、ローンの残債を保険会社が代わりに支払ってくれる生命保険のことです。
例えば、団体信用生命保険に加入しておくと自身が死亡した場合でも、投資ローンを残さず家族に安定した家賃収入を残すことができます。
さらに、団体信用生命保険は通常の保険の代わりになるので、加入している保険を見直すことで保険料を削減することも可能です。
長期間安定した収入が見込める
不動産投資は不動産を売却しない限り、長期にわたって安定した収入が得られる可能性の高い投資方法です。
そのため、他の資産形成の方法より老後の資金計画が立てやすい特徴があります。
例えば、定年退職時にもらえる退職金や貯蓄などを合わせて試算することで、退職後も働き続ける必要があるのかなど具体的な計画を考えることが可能です。したがって、老後はゆっくりと過ごしたい人は、それに合わせた資産運用をすることもできます。
老後の生活を見据えて50代のうちから何かを始めなければいけない・・・。そう考えつい性急にリスクの高い投資を始めるシニアは少なくありません。
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老後に備えた不動産投資をするデメリット
不動産投資はメリットもありますが、当然デメリットもあります。
また、投資であるため、必ずしも成功するわけではありません。
そのため、不動産投資を行ったことで、後悔してしまうケースもあります。
不動産投資のリスク
不動産投資で最も大きなリスクは空室です。
購入した投資物件が空室になってしまうと、安定した家賃収入を得ることはできません。
特にワンルームマンション投資など、物件を1室しか持っていない場合には、得られる収入が0になってしまいます。
家賃収入が無くなるとローンの返済計画も狂ってしまい、最悪の場合にはローンを返済できずに滞納してしまうはめに陥ります。空室リスクは非常に恐ろしいので、賃貸需要が高い人気エリアの駅近物件などを購入すること、サブリース契約をすることでリスクを下げる必要があります。
サブリース契約とは、管理会社に所有する物件を借上げてもらい入居者の募集や家賃回収などの管理業務をしてもらう契約です。
管理会社と賃貸契約を結んでいるため、空室であっても管理会社から家賃収入を得ることができます。
ただし、不動産投資のリスクは空室のリスクだけではありません。
上記以外にも不動産投資には、以下のリスクが存在します。
- 災害によって多額の修繕費が掛かるリスク
- 金利上昇により返済額増えるリスク
- 不動産価値が下落するリスク
このように、不動産投資には様々なリスクがあるため、リスクを理解したうえで投資を行うことが重要です。
老後のためにマンション投資をして後悔した事例
老後の資金のためにワンルームマンション投資をして後悔されている事例を紹介します。
Aさんは40歳になり老後の資金について不安を感じたため、不動産投資の中では資金的なハードルが低いワンルームマンション投資を行いました。
ローンの返済を考えると、月々の収支は1万円程度と決して高くはありませんが、定年退職時にはローンの支払いが終わるため投資としては問題ないと感じて物件を購入することにしたのです。
しかし、単身向けのワンルームマンションのため、頻繁に入退去があり、その度に原状回復費用が必要になったうえに、築古の物件だったため修繕費なども重なり赤字になることは少なくありませんでした。
このように中長期の運用計画を立ててず、不動産投資に手を出すと、失敗します。
不動産投資を成功させるためには、リスクを含めた運用計画を具体的に立てることが重要です。
老後の不動産投資はローンの借入期間が短い
定年退職後など、ある程度の年齢になってから不動産投資を始める場合は、ローンの借入期間が短いというリスクがあります。20代や30代といった若い年齢と比べて月々の返済金額が高額になるため、キャッシュフローが圧迫されてしまうのです。
ですから、60代や50代などのある程度の年齢になってから不動産投資をする場合は、ローンの返済計画と運用計画を具体的に立てるようにしてください。
計画を綿密に立てることで、不動産投資が失敗するリスクを下げることができます。
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不動産投資以外の私的年金の作り方
不動産投資以外の方法で私的年金を作るためには、以下の3つの方法がおすすめです。
- 株式投資
- 確定拠出年金
- 個人年金保険
それぞれについて説明していきます。
株主投資で資産形成する
株式投資をすることで、私的年金を作ることが可能です。
ただし、株取引であれば何でも良いわけではありません。
株取引には、長期的に運用して配当金や株主優待を得ることで資産形成をする方法や1日や数週間で売買を繰り返すデイトレードやスイングトレードという方法があります。
短期トレードの場合はやり方次第で、短期間で大きく稼ぐことが可能ですが、損をする可能性も十分にあります。
一方で、中長期投資の場合はある程度安定した収益を得ることができるとされています。
そのため、資産形成で行うには中長期の投資がおすすめです。
なお、2014年にはNISA(少額投資非課税制度)というNISAを適用した口座で売買すると税金が非課税になる制度も始まりました。このNISAは投資の年間上限額が決まっているため、短期間で何度も取引するデイトレードなどには向いていませんが、将来の資産形成として始めてみるには最適な制度だといえます。
株式投資や不動産投資などを組み合わせることで、リスクの分散が可能なのです。
確定拠出年金を利用する
確定拠出年金とは、加入者が毎月一定の金額を積み立て、定期預金や保険、投資信託といった金融商品を自ら運用して老後の資金をつくる制度です。
企業型と個人型の2種類があります。
個人型を「iDeCo」、企業型を「企業型DC」と呼びます。
長期的な資産形成や節税に大きなメリットがありますが、「iDeCo」、「企業型DC」ともに60歳以降でないと受け取ることができないので注意が必要です。
保険を利用する
個人年金保険とは、生命保険会社などが提供する生命保険のひとつになります。
60歳や65歳まで保険料を支払って払い込みが終わった際に、一定期間年金が受け取れる「確定年金」などや亡くなるまでずっと受け取る「終身年金」を選ぶことが可能です。
口座から決まった金額を引き落とすように設定できるため、貯金の代わりに始めるという方もよくいます。そのため、貯金が苦手という方におすすめの方法です。
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