50代の老後資金準備。 50歳からやっておくべき事と貯蓄目標

50代になれば、老後資金のことを現実の問題として意識することが多くなります。老後のことを考えたとき、どれくらいの資金を準備しておくべきなのでしょうか?貯蓄目標を交えて、解説します。

老後資金額の目標を決めるには

老後2000万円問題がまだ記憶に新しいところではありますが、最終的にどれくらいの資金を備えておく必要があるのでしょうか?結論から申し上げますと、どの世帯にも当てはまる一律の金額を示せる訳ではありません。何故なら、ご家庭によって現時点までの貯蓄はもちろんのこと、掛けてきた保険料や生活コスト等々、置かれている状況が様々だからです。では、どこから手を付けたらよいのでしょうか。まず、ご自身の家庭で必要となる目標金額を算出するところから始めましょう。

受給できる年金額をチェック

目標を決めるにあたって、まず将来いくら年金がもらえるか、調べることから始めましょう。年金の予定支給額は、日本年金機構のホームページから試算できます。ご自身の雇用形態や年齢、未納の履歴の有無など条件を設定することで、支給される年金の金額が明らかになります。また、今からどのような働き方をしていくか、それによって収入がどう変化していくか、シミュレーションを行うこともできます。

年金+αで必要な生活費を計算しよう

年金の予定支給額が分かったところで、次は生活費の計算です。リタイア後にどのような暮らしを続けたいか理想の形を描いた上で、必要となる生活費をリストアップしていきましょう。生活費を積み上げで合計した金額と年金支給額を差し引きして、不足分の金額を貯蓄することを目標とします。
なお、シニアライフの備えを考える場合、「老後のケア」に掛かるお金も無視できません。国から介護が必要な状態であると認められた場合には、介護等級ごとに保障が受けられますが、早い段階から介護サービスを受けたり、シニア向け施設への入居を希望したりする場合には、自費負担となる前提で生活費を多めに貯蓄する必要があります。このように、ひと括りにシニアライフといっても、皆さんが求める生活スタイルによって必要となる金額が大幅に異なるものです。やみくもに貯蓄を始める前に、どのようなシニアライフを過ごしたいか、理想形を持っておくことが大切です。

50代から老後資金を貯めるコツ

ご自身の理想とするシニアライフの在り方、それに必要な生活費が見えてきたところで、老後資金を貯めるコツを押さえておきましょう。今回のコラムでは、50代からの資金作りでまず始めたい2つのポイントに絞ってお伝えします。

まずは積立から始めよう

昨今、個人年金や投資など、老後の資産形成のために様々な情報が溢れていますが、やはり資産づくりの王道は積立です。資産運用を始める場合、元手となる資金が必要なので、最初のステップとして積立をコツコツ行うことからはじめましょう。50代というと、住宅ローンや子供の教育費など、大きなローン、支払いの節目を迎える方が多い年代でもあります。支払いの負担が減った分をまずは積み立てることで、次の「お金を増やすステップ」を目指しましょう。

NISA、iDeCoで老後資産を運用しよう

次に、積立を行う上で、手取り額をいかに増やすかを考える必要があります。その資産形成の方法として、NISAとiDeCoの2つの制度を使うことをお勧めします。

NISAは、一般的なNISAとつみたてNISAがあります。積立に特化して考えると、最大20年間、年額40万円を上限に積立投資によって資産形成を目指せるのが、つみたてNISAです。この制度を使って積立てを行うメリットは、運用中に得られる分配益や譲渡益が非課税となること、年齢に関係なく積み立て続けられることの2点です。また、必要であれば、積立てを中止して現金に変えることもできるという、家計の状況変化に柔軟に対応できる制度です。

次にiDeCoとは「個人型確定拠出年金」の通称で、個人でつくる老後の年金の枠組みです。この枠組みで積み立てたお金を、予め用意された金融商品(定期預金、保険、投資信託など)で運用し、老後の年金を用意する仕組みです。銀行の積立預金とは異なるiDeCoのメリットは、積立金額がすべて「所得控除」の対象となったり、運用で得た利益が非課税になることです。また、積み立てた個人年金のお金を受取るときも「公的年金等控除」や「退職所得控除」の対象となります。老後の資金を貯めながら現役時代の節税対策にもなるため、余剰金があれば積極的に活用したい仕組みです。

但し、つみたてNISAと違ってiDeCoには年齢制限があり、加入できるのは日本在住の20歳以上60歳未満の方に限られます。よって、50代からiDeCoを始めた場合は、活用できる期間が10年以内と比較的短期間ですので、可能な範囲で最大の掛け金を支払うことで、短期集中での資産形成を図りましょう。iDeCoの掛け金については、職業ごとに毎月の上限額が定められていますので、ご確認ください。

また2022年5月からは、iDeco の年齢制限が65歳に引き上げられます。

70歳まで働けるキャリアプランを描く

ここまでは、現役時代の収入を蓄え、運用する視点で老後資産形成について紹介してまいりました。これと同時に「働ける現役期間を増やす」という視点も忘れてはなりません。

会社員には定年がありますが、人生100年時代と言われる昨今、定年を超えても元気に働くシニアの方々もたくさんいらっしゃいます。定年後もまずは70歳前後まで働くようなキャリアプランへシフトしていくことも、50代からの老後準備の一つです。

65歳以降も働くキャリアの利点は、一定の収入を継続して得られる点に留まりません。年金の受給は65歳スタートを前提に設計されていますが、収入があるので70歳以降まで公的年金の繰り下げ受給を行うと、その後に受け取れる年金額がアップする仕組みがあるからです。

もし70歳まで繰り上げ受給をしたあとに年金を受け取ると、最大で年金額が42%アップ(税前・社会保険控除前)することができるので、場合によっては年金だけで生活することが可能になるかもしれません。

仕事によって得られることは収入だけではありません。社会の中で役割を持ち続けられたり、人とのつながりや身体を動かす機会が増えることで、シニアライフの健康寿命にもよい影響が得られるのではないでしょうか。

老後資金のご相談は、ファイナンシャルプランナーへ

今回のコラムでは、50歳からやっておくべき老後資金づくりについてお伝えしてまいりました。しかし、コラムの冒頭でお伝えした「必要なお金の計算」こそ、世帯によって状況は様々で算出が非常に難しい問題でもあります。資産形成に重き置きすぎるあまり、日々の生活に安心感、満足感を得られないようであれば本末転倒なところ。“いつか”のために、目の前の生活を犠牲にすることだけが、資産づくりの方法ではありません。現在の暮らしを尊重しながら、将来への安心感を得られる資金づくりのやり方については、ぜひお金のプロ集団であるマネーデザインのアドバイスをご活用ください。ご家庭ごとの状況に応じて、無理のない確実な資産形成についてご提案いたします。