自宅の資金贈与の際の注意点 ~自宅の床面積と所得に注意~

住宅を購入したい場合、ご両親から住宅資金を援助してもらうケースもあるでしょう。その際、条件を満たせば、贈与税が非課税になります。この特例を具体例でみていきましょう。

相談内容
親から住宅資金の援助を受けてマンションを購入したいと考えています。大きさは床面積49㎡です。私は35歳、親の年齢は59歳です。今年私は課長に昇進し、年収1,000万円を超えてしまいそうです。贈与税の特例を受けることできますか。

回答
お父様 お母様は、民法上直系尊属と呼ばれます。その直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受ける場合、最大3,000万円が非課税となります。また住宅取得資金にかかる相続時精算課税制度は、贈与税の制限なしに適用することが可能です。

この制度は、暦年課税(暦年課税の基礎控除額110万円/年)と相続時精算課税(特別控除2,500万円)のいずれの場合も併用することができます。

その詳細を見ていきましょう。

まず、特例は2つあります。

➀直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税非課税措置

一定の要件を満たす場合は、下記の図の非課税限度額までの金額について贈与税が非課税となります。
贈与税非課税枠と契約日との関係図
(省エネ・耐震性など一定基準を満たすとは 次のものをいいます。
断熱当性能等級4,耐震等級2以上もしくは免震建築物、一次エネルギー消費量等級4以上、高齢者等配慮対策等級3以上のいずれかに該当する住宅用家屋)

この住宅取得贈与をうけて購入する住宅の床面積(登記簿面積)の要件は40㎡以上240㎡以下ですが、床面積が50㎡未満の場合は1,000万円以下、50㎡以上の場合は合計所得金額2,000万円以下の受贈者に限られます(改正 2021年1月1日以降の住宅取得等資金の贈与に適用)。

また、上記にも記載の通り、契約日ベースで購入した物件が消費税8%と10%で非課税枠が決定します。

② 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の特例

この特例は、60歳以上の直系尊属からその年に20歳以上の子や孫に対して行った贈与について贈与税が控除されます。

しかし住宅取得等資金の贈与については、直系尊属が60歳以上という条件はなくなります。つまり59歳以下であっても適用されます。贈与をうけて取得する住宅の床面積(登記簿面積)の要件は40㎡以上で上限はありません。この特例は受贈者の所得制限はありません。この制度は贈与者ごとに選択でき、非課税枠は贈与者一人につき2,500万円です。すなわち父母双方からの住宅取得資金の贈与についてこの制度を利用することで、非課税枠は5,000万円取れることとなります。

購入者であるお子様が今年中に自宅の購入資金を贈与してもらい、床面積が49㎡のマンションを購入しようとした場合、本人の合計所得額が1,000万円超のケースでは、上記➀の特例は受けられません。

したがって、物件の床面積が50㎡以上240㎡以下の物件を新たに探した方が有利に制度を使えます。

②の相続時精算課税制度は、所得要件がないので、床面積が49㎡のマンションでも他の要件を満たせば使うことができます。

ただしこの制度は文字通り父親の相続時にこの贈与分も含めて清算・課税する制度です。

例えばこの制度を使って1,500万円の贈与を受けた場合、その時点の贈与税は0円ですが、仮に15年後に父親が亡くなった場合、相続時の財産+贈与財産1,500万円に対して相続税が計算されます。したがって、この制度を使っても将来の相続税は安くなりません。

また、相続時に清算される生前贈与財産は贈与時の時価で合算されるため、購入した不動産の時価の上昇または下落によって相続時の相続税の負担額はプラスマイナスが生じます。