相続のリアル Part3

今回「相続のリアル Part3」では、より具体的に不動産の財産調査の仕方について見ていきましょう。

Part1~2では、相続手続きの入り口から相続人の確定までたどり着きました。
次に行うことは、相続財産になるものが、何がいくらあるかということを調査していきます。財産にはプラスの財産もあればマイナスの財産もあります。マイナスの財産とは借入金など負債の事です。それらは、目に見えるもの、見えないもの、見えにくいものもあります。大きな財産を見逃すと、相続税にも関わってきますので、慎重な調査が必要となります。

不動産の財産調査

1 都税事務所や市町村役場で行うこと

被相続人や相続人が居住していた不動産はすぐにわかると思いますが、まず権利証や登記識別情報(2004年の不動産登記法の改正により、従来の登記済証=権利証の代わりに発行されるもの)で確認しましょう。それらが見当たらない場合は、固定資産税の課税通知書が年に1回、5月か6月ごろに来ているはずですので、それも参考になります。

ご自宅の土地等で見逃しやすいのが私道です。私道には固定資産税がかからないので、課税通知も来ませんから、実際に売買に関わっていないご家族は所有していることを知らないこともめずらしくありません。そういったものを見つけるには、まず都税事務所(東京以外の場合は、市区町村役場の固定資産の担当部署、以下都税事務所等という)に出向き、「名寄帳」の閲覧申請をします。
相続人が手続きをするときは、本人の身分証明書と被相続人の死亡がわかるもの(住民票の除票または死亡の記載のある戸籍謄本等)、被相続人との関係がわかるもの(戸籍謄本等)が必要ですので忘れずに持参しましょう。 名寄帳とは、「固定資産課税台帳に基づき、納税義務者ごとにその土地および家屋に関する登録事項を一覧にした帳簿(都税事務所webサイトより)」です。それを閲覧すると、被相続人のもっていた不動産が全部わかります。ただし、名寄帳は市区町村ごとですので、都税事務所でもその固定資産の所在する区にある都税事務所でしか閲覧できない、つまりはその区にあるものしかわからないのです。ですから、他の市区等にある場合は、その市区ごとに調査が必要です。
また、相続などで地方の土地等を所有しているような場合、納税通知書が来ない場合があります。 それは、「市区町村ごとに、同一人が所有する土地・家屋・償却資産の、それぞれの課税標準額の合計が次の金額に満たない場合には、固定資産税は課税されません」とあり、土地30万円家屋20万円償却資産150万円と定義されています。例えば山林など、資産価値があまりない場合は、広い土地をもっていても課税されない場合があります。

都税事務所や市町村役場等へ出向いて不動産の所在がわかったら、不動産評価証明書もとっておきましょう。不動産の名義変更の際に必要となります。ただし、評価は年度ごとに変わりますので、年度末をまたぐときは取り直しになります。 また新しい年度の評価証明、公課証明が発行されるタイミングは、都税事務所、市町村役場で異なりますので、事前に電話で問い合わせた方が良いでしょう。

2 法務局で行うこと

都税事務所等で被相続人の所有不動産等を調査したら、今度は法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し、権利関係を確認します。 なお、所有権だけでなく、借地権や借家権などの権利も相続の対象となります。
不動産の登記簿謄本は、全国どこの法務局でも取得することができます。ただし、請求は住所ではなく、地番や家屋番号を記入しなければなりません。地番は、権利証や固定資産税の課税通知書を見ればわかります。前に記したとおり、先に名寄帳を取ればそれでもわかります。

住所しかわからなくても、そこの管轄の法務局であれば地番を検索できるコンピューターやブルーマップという地図がありますが、管轄外のものはそこではわかりません。その場合は、管轄の法務局に電話をして住所を言えば地番を教えてもらえます。法務局に行く際は、事前にそういったことを調べてから行くようにすると、安心ですし手続きがスムーズに済みます。

次の相続のリアルPart4 では 不動産以外、預貯金、有価証券等の財産調査についてみていきます。