相続税のリアル PART7

前回の相続税のリアルPART6では、いったい相続税はかかるのか、調査した相続財産の評価の方法などをお伝えしました。

今回は、基礎控除額を超えた場合はすべて相続税がかかるのかを見ていきます。

相続財産の評価方法、基礎控除額を超えていても相続税はかからない?

基礎控除額を超えていても、必ずしも相続税が発生するわけではありません。

配偶者の税額軽減制度(配偶者が受け取った正味の遺産額が、1億6千万円または②配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは相続税がかからないという制度)や、小規模宅地の特例(被相続人が居住していたり事業をしていたりした土地について、一定の要件を満たしていれば評価額を減額してくれる制度)を使えれば、実際の相続税がかからない場合があります。

ただし、注意が必要なのは、たとえば相続税の概算を計算して、これらの制度を使える要件を満たしていることを確認し、それによって相続税はかからないから申告は不要だと判断し、申告しないことです。これらの制度は、相続税の申告をすることによってはじめて使える制度なので、結果的に相続税がかからないからと申告をしないでいると、利用することができません。

期限までに申告しないことによって加算税や延滞税がかかるばかりでなく、これらの軽減制度も使えなくなるので、本税自体も高くなるということになります。

配偶者の生活を守る「配偶者居住権」

また、2018年の民法の関連法もチェックする必要があります。特に重要な点は、配偶者の方の生活を守るために「配偶者居住権」が新設されたことです。

これは、お亡くなりになった被相続人の所有する自宅に、配偶者が終身にわたって無償で住み続けられる権利です。自宅の権利を「配偶者居住権」と「負担付所有権」に分けることで、残された配偶者(相続人)の生活を守りながらスムーズに遺産分割できる方法が確立されました。
しかし配偶者がなくなると、この「配偶者居住権」は消滅してしまいます。

また、負担付所有権とは、配偶者居住権を得た配偶者が居住する建物や敷地の所有権のことです。
負担付所有権を持つ人は、その物件を「売却したい‥」と思えば、売却することができます。
ただしその住居は、居住する配偶者の同意なく勝手に売却はできません。また住居から発生する固定資産税は、負担付所有権を持つ人が払わねばなりません。(別途配偶者に請求することは可能です)

このように、負担付所有権を持つ人には、所有権と負担の両方があることから「負担付所有権」と呼ばれているのです。

ここまで、引き継ぐ相続財産の調査も終わり、相続税の課税対象かどうかの見当もつけることができました。これらの相続財産を誰が相続するか、何を相続するかもご理解できたかと思います。

PART8からは、相続人が相続財産をどのように分けるかを見ていきます。