50歳から考える不動産

人生100年時代を迎え、50歳は折り返し地点です。


これからさらに充実したライフデザインを考えるうえで、不動産の重要性は言うまでもありません。


また、最近の新型コロナウィルスの影響は、不動産の持ち方にも大きな影響を与えています。


新型コロナウィルスの治療薬がまだ開発されている途中ですので、これからの不動産市況が どのように変化するのかなかなか予想は難しいところがあります。しかし、確実にいえることは、 従来の考え方ではなく、新たなライフスタイルに適応した不動産の持ち方が試されている、ということです。

上の図のように、今までは首都圏に人が集まり、そこで蜜の状態が発生していました。
すなわち首都圏中心に、Closed(閉じた)な世界となっていました。

これからは、テレワークのより一層の充実により、都心の地価の高い場所に高い費用をかけて住むこと自体が 意味のあることなのか、が問われています。
すなわち、からへ人の動きが加速する ことも予測されます。

一方、今まで通り、都心に住む価値は揺るがない、との予測もあります。

不動産の将来予測は難しく、また不動産というなかなか動かすことが難しい資産ですので、 急激に変化することはない、との観測もあります。

今、50歳以上の二次不動産購入者が増えています。

少し古いデータですが、2016年に国土交通省から発表された不動産の一次取得者、二次取得者の年代別構成です。

特に二次取得者の平均年齢は、56.8歳となっています。


これは、住み替えが主な理由で、家族構成の変化、これからのセカンドライフに備えて間取りの 変化を求める、などが住み替えの主な理由です。


今後、5Gのインフラ促進など、ますますテレワーク環境が充実してくることが予想されます。

間取りの中に、在宅勤務が可能になる書斎やDENなどを備えた住宅に住み替えることも、 一つの選択肢となるかもしれません。

(LDの中に 学習コーナーとしてワーキングスペースを設けた例)


また、このグラフは、2017年に新築マンションを購入した世代別割合で、50歳台、60歳台が占める割合を 表したものです。

このように50歳台だけでなく、60歳台の世代も積極的に不動産購入、買い替えに動いていることがわかります。

おひとりさまの不動産購入

近年、働く女性が増え、おひとりさまが住まいを持つケースが増えてきています。その理由は、 自らの働きで安定した収入を得ることができ、頭金がある程度たまってきた段階で、マンション購入に 踏み切るケースが多く見られます。

このグラフも少し古いですが、2014年から2017年にかけて、独身女性が持ち家を購入した割合を示したものです。 このように、3年間で2.6倍に増加しています。

このように、頭金をためてきた女性たちが、自らの意思で住まいを持つ動きが加速していることがわかります。

賃貸vs持ち家 論争

一生賃貸暮らしで行くのか、それとも持ち家にするのか、この論争は、ずっと続いています。


賃貸派の方々は、「一生、住宅ローンに縛られるのは嫌だ」「持ち家がいやになったらどうするんだ」 といった考え方の方が多いのも事実です。


一方、持ち家の方々は、「賃料を払うくらいなら、持ち家として住宅ローンを払った方が良い」 「住宅にも資産性を持たせ、老後の生活の足しにできるのでは」といった考えもあります。


この論争は、過去から現在まで継続していますが、過去数百例以上のライフ・プランニングを作成したことを もとにお伝えをしますと、


賃貸住まいの方が、老後の生活が圧倒的に厳しくなる

というのが結論です。

このグラフは、持ち家と賃貸の出費の模式図です。


お分かりのように、赤の持ち家が住宅ローンを払い終われば、マンションであれば、 修繕積立金、管理費などでとどまります。


一方、緑の賃貸は、当初頭金などを準備する必要がないので、最初は生活にゆとりがありますが、 ある時点から持ち家のコストを上回ることとなります。


これから、平均寿命がますます延びてくるのが一般的な傾向です。そうすると、この横軸の返済期間が もっと右側に伸びてくることが予想できます。


ファイナンシャル・プランニングの視点からも、持ち家をお勧めする理由は、このグラフに集約されているのです。

どのような物件を購入すべきか

現状、首都圏の新築マンションは、価格が高止まりしている状況です。新築マンションの売り出しは 大手デベロッパーですので、資金力があり、価格を下げて販売することは手控えています。
そのことから、当面の間新築マンションの価格が下がることは、ないのではと予想しています。


そこでターゲットは、中古物件です。

この図は、2019年9月に調べた、首都圏の中古マンションの築年数別価格推移のグラフです。


このように、築30年までは㎡単価は下がってきますが、築30年を過ぎるとむしろ上昇している ことがわかります。


このグラフをもとに考えると、築25~30年の中古マンションを購入して、間取りを大幅に フルリノベーションすることで、自分のライフスタイルに合った間取りで、快適な住まいを安く 手に入れることができる、といったシナリオが作れるかもしれません。